2026.06.15
経営・管理ビザの申請では、事業計画や資本金だけでなく、実際に事業を行うための「事務所」が確保されているかという点も重要な審査ポイントとなります。
入管では、申請書類上の事業計画だけでなく、実際に事業を継続して行うことができる環境が整っているかという観点から、事務所の使用状況や設備などが確認されます。
そのため、経営・管理ビザの申請をサポートする行政書士にとっては、賃貸借契約書などの書類を確認するだけでなく、必要に応じて現地の状況を確認し、事務所としての実態を把握することも重要な業務の一つとなります。
経営・管理ビザでは、単に事業を行う住所が存在すればよいというわけではありません。
事業を継続的かつ安定的に行うための施設として、実際に使用できる状態にあることが重要です。
例えば、次のような点を確認します。
必要となる設備や事務所の形態は、事業内容によって異なります。
そのため、「どのような事務所であれば問題ないか」を一律に判断するのではなく、予定している事業内容と事務所の実態を併せて確認することが大切です。
まず確認したいのが、事務所の入口や外観です。
会社名や屋号などの表示があるか、事務所として使用していることが外部から確認できる状態になっているかなどを確認します。
ただし、看板や表札がないことだけをもって直ちに事務所として認められないというわけではありません。事務所の形態や契約内容などを含めて、総合的に判断する必要があります。
また、他社との共用スペースを利用している場合には、申請人または会社が独立して使用できる区画が確保されているかについても確認が必要です。
事務所内部については、予定している事業を実際に行うために必要な設備が整っているかを確認します。
例えば、次のような設備が考えられます。
もちろん、必要となる設備は業種によって異なります。
重要なのは、単に設備を並べることではなく、その事務所で予定している事業を実際に開始・継続できる状態になっているかという点です。
住居の一部を事務所として利用する場合には、特に慎重な確認が必要です。
住居部分と事務所部分が明確に区分されているか、事務所として独立して使用できる状態になっているかなどが問題となる場合があります。
例えば、居住空間を通らなければ事務所に入れない構造や、生活用品と事業用の設備が混在している状態では、事務所としての独立性について説明を求められる可能性があります。
ドアやパーテーションによる区分、事務所専用スペースの確保など、事業を行う場所と居住空間との違いを客観的に説明できる状態にしておくことが重要です。
また、事務所として使用することについて、賃貸借契約上の問題がないかについても併せて確認する必要があります。
事務所を賃借する場合には、実際の使用状況だけでなく、賃貸借契約書の内容も重要です。
例えば、次のような点を確認します。
特に、住居用として契約された物件を事務所として使用する場合には注意が必要です。
契約上の使用目的と実際の利用方法が異なる場合、貸主から事業利用について承諾を得るなど、必要な対応を検討することになります。
「借りることができる物件」ではなく、「経営・管理ビザで予定している事業を行う場所として適切な物件か」という視点で、契約前から確認することが重要です。
経営・管理ビザの申請では、事務所の状況を示すために写真を提出することがあります。
事務所の写真は、単なる記録ではなく、実際に事業を行う場所が確保されていることを説明するための資料となります。
例えば、次のような写真を準備します。
申請人自身は「問題ない」と考えていても、入管審査の観点から確認すると、事前に対応しておいた方がよい事項が見つかることがあります。
例えば、
•事務所の表示がない
•事業に必要な設備が十分に整っていない
•事務所と住居の区分が不明確
•賃貸借契約の使用目的と実際の利用方法が一致していない
•事業所としての独立性を説明しにくい
といったケースです。
こうした点は、申請前に確認できれば、契約内容の見直しや設備の準備、事務所の区分方法の検討など、事前に対応できる可能性があります。
行政書士が現地の状況を確認することで、書類だけでは把握しにくい事務所の実態を確認し、申請上のリスクを事前に把握することにつながります。
その結果、申請後の追加資料の提出や説明の負担を軽減できる場合もあります。
経営・管理ビザにおける事務所の確認は、単に「住所があるか」を確認するものではありません。
実際に安定して事業を行うことができる場所が確保されているか、そして、そのことを客観的な資料によって説明できるかという視点が重要です。
賃貸借契約書の確認だけでなく、事務所の独立性、設備の状況、住居との区分、外観や内部の写真などを含めて、総合的に準備する必要があります。
特に事務所をこれから契約する場合には、「契約してから確認する」のではなく、事務所を選ぶ段階から経営・管理ビザの要件を意識することが大切です。
経営・管理ビザの申請を検討されている方は、事務所選定の段階から専門家に相談し、予定している事業内容に適した事務所を準備することをおすすめします。
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